読み易いにしてご覧下さい。

A B C D E

子供の遊びそのD 土との遊び釘刺し

釘一本で数人の子供があそぶ!

今、道を歩けば、殆どが舗装道路です。
今、まっ平で土の上といえば、学校の運動場かな。
僕達の子どもの頃は車の交通量も少なく、道路や庭は土、雨が降れば泥んこになる。
各家の庭先も畑であったり、稲を天日干しする場所であったりしたが、
庭先も道路も子どもの遊び場所で、地面の土をうまく利用していた。
 遊びのひとつが釘刺しでした。

大きな5寸釘(ほぼ15cmの長さ)、1本と地面があれば遊びになった。
遊び方は至って簡単で、2〜4人くらいの遊び。殆どは男子だった、まず、みんなが
揃ったところに地面に釘を刺す。
釘の頭部分を親指と人差し指ではさみ、手を後ろへ回し地面に叩きつけ、釘を地面に
ぶつけるのです。うまく刺さらず倒れることも多くある。
全員が釘を刺したら、じゃんけんで順番を決める。

1番の子が相手を囲む位置目指して次の地点に釘を刺し、最初の釘が刺さていた位置と
釘で書き、線で結ぶ。更に、相手を囲むように釘を刺し、線で結んでいく。
うまく刺さらず、倒れたら次の順番に変わり、相手を取り囲むように釘を刺し、
線で結んでいく。しかし、相手の線を横切ったら失敗で次の子に順番が変わる。
それぞれが自分の線が囲まれたら、隙間を逃げ、外へ出たら相手の線を囲み、
狭く逃げ出さないようにぐるぐると囲う。

地面は雨が降った後は柔らか、但し、少しの雨なら表面だけが軟らかい。
雨がない時は硬い。石があり当たったら刺さらない。
そのような地面の上で相手に囲まれ細い間を目掛け釘を刺すのだから、位置決めが
上手になっていく。
釘刺しは遊びと言えども何100回と腕を使って投げ下ろし、次の日は腕が痛かった。
野球の練習ではないが、変わったところで腕の筋肉を使っているのです。
でも腕が痛くなるのも忘れ、夕方暗くなるまで遊んでいました。

使う釘の形は普通ですが、大きな釘でありいつもあるとはかぎらない。
自分で見つけるのだが、大工さんにもらうのか、家の釘箱を捜し見つける。
友達と何か自分の宝物と交換してもらっていた。親も仕事で忙しく、聞くこともせず、
自分達で遊び道具を見つけていたが、知恵です。釘の先がつぶれていれば、
橋のコンクリートを利用して削り、刺さり易いようにする。
釘を平たくして(平たくする方法は秘密)持ちやすく、刺さり易いようにする。
みんな自分の釘を相手に見せびらかし、良い工夫がしてあれば真似をする。
これも遊び道具の宝でした。

僕達はどうやったら相手に勝てるか知恵をしぼり、体の筋肉も知らず知らずに使っていました。
今の子ども達は小学校の頃から一定のスポーツばかり集中するので、部分的な筋肉が
大きく発達します。僕達はこんな釘刺しの遊びでしたが、腕が痛くなるくらい利き腕と
足腰を使っていました。
体を鍛えるとの言葉は知らず、いろんな遊びを通して体全体のバラランスが作られて
いったと思います。

平成18年7月記 inserted by FC2 system