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昔の遊びについて(序文)

「その住む地域、季節、動植物の生態、年齢、男女などによって遊び方は違ってきます。
遊ぶことには道具をつくりました。
小刀、のこぎり、ナタ、かまなど家にある道具はなんでも使いました。
 私が住んでいたのは堤防に囲まれた水郷地帯です。
例えば @今の時期ですと雨がよく降り魚が田んぼへ登ってくるので、捕まええるのに飛び回っていました。
タモを買うお金も無かったので作りました。
たぶん、網だけ買ってもらって、針金を曲げ竹に付けて。
今の時期水が多いので川が濁りうなぎがよく釣れ、釣ってきてたべました。
すいすいごんぼ(スカンポ)が伸び大きくなってきますので、
刀を振り回して切っていました。
刀は柳を切り、刃の部分を皮をむき、柄の部分は模様をつけていました。」


☆ 子どもの遊び・bR竹とんぼ ☆


竹とんぼつくりから。

竹とんぼつくりが子ども名人を育てる!


どこにでもある竹ですが、身近な竹を使って色んなものをよく作った。
竹といってもどれでもいいわけではない。
川の土手にある女竹、男竹(真竹)では作れない。
名前なんかどうでも良く、材料は直径5cmくらいで比較的肉が薄いもうそう竹が良い。
また、切って直ぐのものはダメ、かなりの期間が経ち、水分が抜けていったもの。

誰となく大きい子どもから学んできた。私の家は農家であり、
当時、稲を「はさ掛け」する為に買った竹をこっそり盗んできた。
(秋、刈り取った稲を天日干しする為につかう棚に使っていた竹)我が家は
竹屋から買って大事なものだが、親は盗みを知っていても黙っていた。

 根っこ部分をのこぎりで切り、竹とんぼの材料にした。
竹を切るのは竹のこぎりだが、無ければ、大工用のこぎりなどなんでも使い、
なかなか上手く行かない。この難儀が良い結果につながっていった。
後になって、用途に応じたのこぎりがあるのがわかってくる。
学校で習ってピーンとくる。

大きい子の竹トンボを見て、長さを適当に決めナイフで削る。
ナイフが欲しくてたまらない、やっと親に買ってもう。
いうなればナイフは僕らの宝物でした。

ナイフで削るのは難儀で、特に竹が硬いときは必死になる。
古い竹、太いもうそう竹は硬く、手が痛くなることもしばしば。
ナイフを横に引いたり、縦にして削(そ)いだり、竹を引っ張ったり、
体いっぱい使った。

トンボの角度が大事だが、他人のを見て段々と削っていくが、削り過ぎて羽の部分を
切ってしまうことも度々ある。またやり直し、やめる訳にはいかない。

モノサシは無く、端っこからナイフを当て中央位置を決める。
そして、今度は飛ばす為の2つ穴(穴1つはヘタとされていた)をキリであけ、
回し棒が抜けやすいように丁寧にケバケバをなくする。

 今度は回す棒を作る。先端に2本角があるものだが、これが意外とやっかいもの。
先が割れないように、キリで穴を明け、ナイフで削っていくが、
失敗して裂けてしまうこともある。
 完成すれば飛ばしてみる。高く上がるだけですぐ落っこちるもの、
相手の顔横をかすめ、斜め前方へ音をたてて飛ぶもの、
時々、羽のひねりが反対でちっとも飛ばず、気が付いて逆回転させ飛ばすのである。
そして、一番、飛ぶ竹トンボを見て,真似して、また良く飛ぶものに挑戦していく。

 晩秋から冬にかけての遊びでした。
竹が近くにあり、竹工作に良い時期だったのです。
ある夏、ひよっとしたことから、竹を採り作った。
軟らかいのでスイスイ削れ、しかも薄いのが出来「よく飛ぶぞ」と思ったが、
時間とともに羽根がソリくり返った。
飛ばしたら、全然飛ばない。

次の日には更に大きく曲がってしまったのも良い経験になった。
 なんとなく竹トンボを作り遊んでいたのだが、手先を器用にさせた。
しかし、切り傷、かすり傷など怪我も絶えることはなかった。
又、竹を通して、植物が生き、眠る時期を知る。

また、僕達はみんな、「他人より良いものを作り、飛ばしたい」の気持ちで
一生懸命だったが、いい意味で競争をしていたのだ。

2006年07月記

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