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※ はじめに・・・

当地区の自然環境も私の子供の頃とは大きく変わってしまった。
私が子供の頃は、秋の取り入れと籾すりや麦の作付けが終わると、
どの家も焚き物(燃料)にする割木や柴などを作りに裏山(多度山脈)や
里山に入っていた。

山道も山も綺麗になっていたが、現在では山へ入って焚き物を
作る家は皆無である。
そのために山は荒れ放題になっている。
松茸が出なくなった原因もそのためと言う説もある。

里山はゴルフ場や工場進出で開発されて様変わりしてしまっており
昔の風景、面影は無くなってしまった。

河川の護岸もコンクリートで固められ、とても魚などが
遡上出来ない高さの堰堤が作られている。
人間社会の向上、文化とは自然を破壊しなくては形成できないのでしょうか!


※ 「めだか」 ※

※(一)環境破壊・・

村中を流れる明智川が昭和40年代に河川改修や護岸工事が盛んに行われて
魚やウナギが遡上出来なくなり、川に住む生物の殆どが
絶滅状態になっていたが過日、護岸工事がされた堤防の上から
川を覗くと一部の魚については、泳いでいるのが確認することができた。

しかし、途中に高い堰堤が数カ所も作られているために、
魚たちが遡上してくることはとてもあり得ない。
魚道をも作られてはいない。

河川の堤防は車が通れる管理道路は設置されてはいるが、堤防から川の中へ
入る階段など、どこにも取り付けられていない。
昔はどこからでも川の中に入って行くことが出来たし、いろんな方法で
子どもたちは魚捕りをしたものである。
捕った魚は無駄にせず家族の夕飯のおかずとなった。

また、大人たちも農具や家財など大きな物や多くの洗い物が出来たときは
川まで運んで洗っていた。
大人も子供も近くの川は日常の生活に於いてなくてはならない大事な川で
あった。

現在では誰も川へ行くこともないし、その必要もない。
川の中へ入る為の階段が無くても、魚が遡上出来なくても、
魚が居ても居なくても誰もが困ることはないし、その関心もない。

自分が子供の頃の川にはいろいろの種類の生き物たちが生息していたが
その生態系に戻すことは現状のままでは先ずできないと思う。
近年、蛍も少しは見かけられるようになってきてはいるが・・
まだまだ昔のように華やかには飛んでいない。

人間の都合で自然を破壊すれば、その報いはいつかは必ず負わなければ
ならないことを、人間は一時期それを忘れてしまっていた。
未だに忘れてしまっていることが多いのではないか!

※(二)環境破壊・・

過日ラジオでどんな番組だったかは忘れたが、以前は里山や小川に
住んでいた多くの種類の小動物が絶滅したり絶滅寸前になっていることについて、
その原因と復活させるにはどうしたらよいかなど、討論されていた。

自分もこれまで全く気が付かなかったことで、この討論を聞いていてなるほどと
思ったことがあった。

ある地方で「めだか」が泳いでいる姿やどじょうを見ることが
出来なくなったので、昔のようにめだか」が住める小川に
戻そうと言うことになり、地域の人が協力して護岸のコンクリートを
取り省き水路や小川を昔のような姿に戻して、「めだか」を遠く九州から
貰い放流したが、なかなか繁殖しないし、
その数が少なくなっていくのはなぜなのか?
とのことであった。

その繁殖しなかった理由は、「めだか」にとっては大きな環境の変化であり、
順応出来なかったのではないかとのことであった。
たとえば東京か名古屋にに住んでいる人々が、ある日突然アフリカやブラジルの
ジャングルや砂漠地帯の中に放り出されたとしたら、どうであろうか・・!

その逆の立場、環境でも同じことではないか・・!
と言うことが話し合われていた。

なるほどと思うと同時に、人間とはいかに自分本位で勝手な動物であるかが
良く解った。

※(三)おわりに・・

環境破壊は一瞬だが元に戻すのは一〇〇倍も二〇〇倍も、
もっともっと大変であることを忘れてはならない!
もう二度と再び元の環境に戻すことは出来ないかも知れない。
億年単位で形成されてきた、決して無限ではない化石燃料などの地下資源を
人間は一〇〇年そこそこの短期間で使い果たそうとしている。

将来のために、子孫の為に無駄に使ってはいけないと解ってはいるのだが
自分一人頑張ってみてもどうにもならない現実と、
ほとんどの誰もがその目先の便利さに溺れてしまっている。

平成二〇年一月 記


※最後までお読み下さいまして
ありがとうございました。

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